中学一年生のときの初めの美術の授業で先生は言った
「この教科は絵の具や粘土で教室が汚れるので
授業最後の10分に清掃時間を設ける。
真剣に清掃している者には成績に加点する」
その先生は授業後10分間の清掃時の間 毎度
名簿を載せた画板を手に歩き回り 掃除をしている生徒の胸の名札を確認し
名簿欄に○だの×だの付けているのである
僕はあえて掃除をしなかった
そもそも「掃除」とは 自分が使わせて頂いたものを最後に綺麗にして返したい、という精神があっての行動である
その先生の方針と、また、成績を良くしたいが故掃除し名札をアピールする同胞にも気持ち悪さを感じた
僕は美術自体は好きで
よく美術展や県で賞をとったので彼にとってはいまいましい生徒だったかもしれない
でもよく考えると出展品に僕の作品を選んでいたのも彼なのである
自分の立場ってのもちゃんと優先してたのか
だとしたら大人って怖いな
今は形容すれば僕も"大人"だが