幼い頃から保育園に迎えに来るのも食事を作ってくれるのも
のちも帰宅した際 家に居るのもいつもおばあちゃんだった
数年前だった その時は 感情が追い付かなくてただ
目ももう開かない 酸素吸入をされている
意識朦朧としたおばあちゃんの手を握って語りかけたら
幽かな呼吸音とともに 手が確かな強さで握り返してきた
色々あって以後 実家に寄り付かなくなった私のことを
とても気にしていたと後に聞いた
おばあちゃんは殆ど孤児で
母親に抱き締められることないまま養子に出され義親と彼らの実子に気を遣いながら大人になった
なのに 優しさを率先して与えるひとだった
直接的に話してくれることは一度もなかったけど
度合いは違えど
自分と境遇が似てしまった私の気持ちをずっと感じとってたからだったんだろうと 今はわかる
会いに帰るのが 随分遅くなってごめん。